2016年2月1日月曜日

50代で会社を辞める必要資金は?

 「早期リタイア」をネットで検索すると、リタイアに踏み切るのに必要な資金の額をめぐり、結構、議論があるようです。
 もちろん、3億円の宝くじに当選したり、アパート経営で不動産収入が毎月50万円入る、という人は、あまり先行きを心配する必要はないでしょうが、そういう人はごく僅か。
 普通のサラリーマンは、限られた給料の中からせっせと老後資金を貯金し、それを可能な限り運用で増やしていく以外に方法はありません。



 それでは、いったい50歳時点でいくらあれば、会社を辞めることが出来るのか?

 私が退職までにいろいろ検討した結果、「1億円+自宅があれば、おそらく大丈夫」という結論に達しました。

 これだけあれば、単純に取り崩し生活をしても、なんとかなります。

 仮に年間生活費を400万円とすれば、15年間で6000万円。
 65歳から受給できる年金が年間200万円(将来の減額を見越してやや少なめに計算します)とし、これに資産から150万円ずつ補填していっても、30年以上もちます。
 資産が尽きるのは100歳近くとなりますが、この年になれば旅行しまくることも不可能であり、年金だけで十分でしょう。

 しかも、この試算(インフレ率も考慮しない大ざっぱなものですが‥)は、資産運用をまったく行わない状態のもの。
 実際には、様々な運用を通じて収益が入り続けるので、うまくすれば元本がほとんど減らないまま70~80歳を迎える可能性も結構あります。


 では、「もっと少ない資産で退職しても良いのではないか?」という意見も出るでしょう。

 世の中には、50代で5000万円ぐらいの資金でリタイア、もしくはセミリタイア生活に入っている方も結構、いらっしゃるようです。

 もちろん、節約生活を徹底すれば、そういうことも可能ですが、個人的には、それでは何となく物心共に余裕が持てず、思いっきり楽しめないような気がします。


 また、通常より早く会社を辞めれば、将来、受け取れる厚生年金の額は、定年退職したサラリーマンに比べて当然、少なくなります。

 その分も考慮すれば、私の場合、「自宅+9ケタに届く金融資産」は必須でした。


 ただ、前述したように、不動産投資などによって生活費をまかなえるだけのフロー収入が定期的に入ってくる方は別で、そういう方はおそらく半分の5000万円でも大丈夫ですね。


 ところで、年金の話ですが、リタイア系ブログを見回すと、早期退職後に国民年金の減免措置を受けている方も目につきますが、我が家は夫婦でしっかり満額支払っています。

 国民年金は、将来、国の財政がどれほど厳しくなっても、せいぜい30%減額、うまくすれば額面上はそれほど減らないかもしれません。(その分、インフレは進行して実質価値は目減りしているでしょうが‥)

 なぜなら、極端な減額を行えば、国中に生活保護の老人が溢れることになり、かえって税金がかかると考えられるからです。

 日本が財政破綻すればどうしようもありませんが、それまでは日本政府が国債を刷れる限り刷りまくり、年金財政を支えるはず。


 しかも、年金の支給額が削られるとしても、一律ではないと思われます。

 老人票に逆らえない日本の政治の現状を見れば、まず国が手をつけるのは、高額の受給者(つまり、かなり高額の厚生年金受給者)からでしょうし、高額所得者の厚生年金負担率の引き上げも行われるでしょう。


 もっとも、資産の有無で年金額を増減させられてはたまりませんが(笑)。


 将来的に年金支給開始年齢が現在の65歳から70歳に引き上げられることも間違いないでしょうが、今50代を迎えている世代はぎりぎりセーフでは?。
 まあ、多分。

 いずれにしても、日本の財政問題がさらに深刻化すれば、悪い円安とインフレ進行で、もらえる年金の実質的な価値は今より相当、目減りするでしょうから、外貨資産などでリスクヘッジすることは不可欠です。

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